【曹洞宗】「開眼供養」「閉眼供養」の流れと意味をわかりやすく解説

はじめに
仏壇や位牌を新しく用意したときや、故人の供養の節目に行う「開眼供養(かいげんくよう)」や「閉眼供養(へいげんくよう)」。
これらは曹洞宗においても非常に重要な儀式であり、形式以上に“心を込めて供養する”ことが大切です。
この記事では、曹洞宗における開眼供養・閉眼供養の意味、実際の流れ、費用相場、注意点などをわかりやすく解説します。
曹洞宗における「開眼供養(魂入れ)」とは
意味と目的
開眼供養とは、本尊や位牌などに対して魂を入れるための儀式です。
曹洞宗では、この開眼供養が非常に重視され、
僧侶の読経と供養の儀式を通して、仏の力が宿る“供養の対象”となります。
魂入れ(たましいいれ)と同義
曹洞宗では「魂入れ」「精入れ」「入魂」などとも呼ばれ、特に故人の位牌には魂を迎え入れる重要な意味があります。
- 白木位牌 → 本位牌への切り替え時
- 新たに仏壇を設置したとき
- 仏像・掛け軸を購入したとき
開眼供養はいつ行うのか?
曹洞宗で開眼供養を行う代表的なタイミングは以下の通りです。
四十九日法要と同時に行われるのが一般的
- 故人の本位牌を仏壇に納めるのが四十九日
- 白木位牌から本位牌に切り替える際、開眼供養を行う
- 仏壇やお墓への納骨も同時に行われることが多い
仏壇・仏像の購入時
- 新しく仏壇を購入したとき
- ご本尊(釈迦牟尼仏など)や掛け軸の開眼も必要
開眼供養(法要)の流れ(曹洞宗の場合)
- 僧侶に依頼・日程調整
- お手次のお寺に連絡して、読経依頼をします
- 仏壇・位牌の準備
- 本位牌や仏壇が設置されている状態にしておきます
- 白木位牌は仏壇の前に一緒に並べても構いません
- 読経・回向
- 僧侶による読経が始まり、戒名・命日・俗名が読み上げられる
- 位牌に魂が入る儀式
- 焼香・拝礼
- 家族・参列者が順に焼香して合掌
- 僧侶による法話
- 開眼供養の意味や供養の心得などを話されることがあります
- 終了後の食事(必要に応じて)
- 法要後の会食は任意
閉眼供養(魂抜き)とは?
意味と目的
閉眼供養とは、使用していた仏像・位牌などの供養対象から魂を抜き、感謝をもって処分する儀式です。
- 魂が宿ったまま廃棄するのは不適切
- 感謝とともに仏性を抜きます
- 曹洞宗でも行うべき大切な供養のひとつ
閉眼供養を行うタイミング
- 位牌の買い替え・処分をするとき
- 仏壇を買い替えるとき
- 家の建て替え・引越しで仏壇を移動するとき
閉眼供養の流れ(曹洞宗)
- 僧侶に依頼する
- 開眼供養と同様、寺院に連絡
- 読経・魂抜きの儀式
- 僧侶による読経とともに「霊を抜く」供養を行います
- 焼香・拝礼
- 家族全員で手を合わせ、感謝を捧げます
- 供養対象の撤去・処分
- 魂が抜かれた後、業者などに依頼して処分します
- 僧侶による法話
- 閉眼供養の意味や供養の心得などを話されることがあります
開眼・閉眼供養の費用相場と準備物
項目 |
内容 |
僧侶へのお布施 |
1~5万円程度(地域・寺院により異なる) |
お車代・御膳料 |
それぞれ5,000~10,000円ほど |
準備物 |
線香・ろうそく・供物・花・数珠・お布施封筒 |
よくある質問(Q&A)
Q1:開眼供養をしないとどうなりますか?
A:仏教的には「魂が入っていないため、供養の対象として不完全」とされます。形式よりも“心”が大切ですが、開眼供養を行うことで故人への想いが明確に表現されます。
Q2:自宅で開眼供養はできますか?
A:可能です。僧侶に来ていただいて仏壇や位牌の前で行うのが一般的です。
Q3:複数の位牌を一度に開眼供養できますか?
A:はい、まとめて供養することも可能です。事前に本数や戒名の情報を伝えておきましょう。
まとめ
曹洞宗における「開眼供養」と「閉眼供養」は、単なる形式ではなく、故人や仏様への敬意を表す大切な儀式です。
- 開眼供養:新たな位牌や仏壇に“魂を迎える”儀式
- 閉眼供養:不要となった仏具から“魂を抜き感謝を捧げる”儀式
故人とのご縁を大切にする曹洞宗の精神を受け継ぐ意味でも、これらの儀式は丁寧に行いたいものです。